野菜・果物の摂取と大腸がん罹患

橋本修二


 最近の研究では、大腸がんに対して、野菜・果物を多く摂取してもあまり予防につながらないといわれています。一方、少ない摂取はどうでしょうか。また、研究のほとんどはある時点の摂取状況を使いますが、摂取状況は時間とともに変化します。そこで、私たちは野菜・果物の摂取が少ないと、また、少ない摂取が続くと、大腸がんが増えるかどうかを検討しました。


野菜・果物の摂取が少なくとも、大腸がん罹患には増加傾向がない


 40~79歳の45,516人を約13.2年間追跡したところ、806人が大腸がんに罹患されました。ベースライン調査において、野菜の摂取頻度が低い群のより低い方(約20%の低い摂取頻度の人)は、中・高い群に比べて、大腸がん罹患が0.95倍で有意な差がみられませんでした(図1)。果物の摂取頻度が低い群の低い方は、同様に、大腸がん罹患が1.08倍で有意な差がみられませんでした。

【図1. ベースライン調査の野菜・果物摂取と大腸がん罹患】


野菜・果物の少ない摂取が続いても、大腸がん罹患には増加傾向がない


 ベースライン調査の対象者の中で、5年後、14,549人に中間調査を行いました。中間調査以降に約8.7年間追跡したところ、197人が大腸がんに罹患されました。ベースライン調査と中間調査ともに野菜の摂取頻度が低い群は、両調査ともに中・高い群に比べて、大腸がん罹患が0.91倍で有意な差がみられませんでした(図2)。両調査とも果物の摂取頻度が低い群は、同様に、大腸がん罹患が0.87倍で有意な差がみられませんでした。

【図2. ベースライン調査と中間調査の野菜・果物摂取と大腸がん罹患】


 健康の様々な面において、野菜・果物がよいことはよく知られています。上記の結果からみると、大腸がんに対しては、摂取が多かったり少なかったりしても、極端でなければあまり関係がないと考えられます。

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