一日あたりのテレビ視聴時間と慢性閉塞性肺疾患(COPD)死亡との関連

鵜川重和


 J Epidemiol. 2015;25(6):431-6. doi: 10.2188/jea.JE20140185. Epub 2015 May 2.


 テレビ視聴等の長い座位時間は、心血管疾患や糖尿病、およびいくつかのがんのリスクを増加させることが知られています。日本では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者が増加していますが、座位行動との関連はまだわかっていません。そこでこの研究では、テレビ視聴時間とCOPDによる死亡との関連を検討し、専門誌に報告いたしました(J Epidemiol. 2015;25(6):431-6)。


男性において、テレビ視聴のような座位行動を避ける事で、COPDによる死亡を予防できる可能性


 がん、脳卒中、心筋梗塞、結核の既往歴のない40から79歳の76,688(男性33,414、女性43,274)人を19.4年(中央値)追跡したところ、278(男性244、女性34)人がCOPDにより死亡しました。

 男性では、2時間未満のテレビ視聴者と比較して4時間以上では1.63(95%CI: 1.04-2.55)倍と1日4時間以上のテレビ視聴者においてCOPD死亡のハザード比が有意に高くなりました。一方、女性ではこのような関連は明らかになりませんでした。


 今回の結果では、男性でのみ、長いテレビ視聴時間がCOPD死亡に影響を与えている可能性が示されました。長いテレビ視聴時間がCOPD死亡のリスクを増加させる理由として、体内の炎症性物質が増加した可能性が考えられます。


 一方、女性ではこのような関連はありませんでしたが、女性は男性と比較して家庭での家事や育児の時間が長く、テレビ視聴時間が必ずしも身体を動かさない生活を反映していない可能性があると考えられます。

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