一日あたりの歩行時間、テレビ視聴時間と肝臓がん死亡との関連

鵜川重和


 Cancer Causes Control. 2014 Jul;25(7):787-93. doi: 10.1007/s10552-014-0380-8. Epub 2014 Apr 12.


 日本におけるがん死亡の原因で第3位は肝臓がんです。スポーツ活動のような活発な身体活動が肝臓がんのリスクを下げることがこれまでに知られていますが、ウォーキングのような軽い身体活動との関連はまだわかっていません。さらに、TV視聴等の長い座位時間は、心血管疾患や糖尿病、卵巣、大腸、肺がんのリスク要因となることが知られていますが、座位行動と肝臓がんとの関連も明らかでありません。

 そこでこの研究では、一日あたりの歩行およびテレビ視聴時間と肝臓がんによる死亡との関連を検討し、専門誌に報告いたしました(Cancer Causes Control. 2014; 25(7):787-93)。


長い歩行時間と短いテレビ視聴時間を組み合わせた生活は肝臓がんによる死亡を予防できる可能性


 がん、脳卒中、心筋梗塞、結核の既往歴のない40から79歳の69,752(男性28,642、女性41,110)人を19.4年(中央値)追跡したところ、267(男性244、女性34)人が肝臓がんにより死亡しました。

 一日あたりの歩行時間が30分未満かつテレビ視聴時間が4時間を超える活動量の低い人と比較して、歩行時間が30分以上かつテレビ視聴時間が2-3.9時間の人では0.58(95%CI: 0.39-0.89)倍、歩行時間が30分以上かつ2時間未満のテレビ視聴者では0.58(95%CI: 0.35-0.98)倍、肝臓がんで死亡しにくいことが明らかになりました。


 長い歩行時間と短いテレビ視聴時間を組み合わせた生活が肝臓がん死亡の危険性を低くする理由として、肝臓がん罹患に影響を与えるとされる肥満や代謝障害や体内の炎症性物質を減少させることが考えられます。

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