脂溶性ビタミンA、K、E、D摂取量と心不全死亡との関連について

Ehab S Eshak


脂溶性ビタミンA、K、E、Dの摂取量と心不全との関連は欧米では報告されていますが、納豆など主な脂溶性ビタミンの摂取品目が欧米とは異なるアジア人を対象にした報告は未だ多くありません。本研究では、日本人におけるビタミンA、K、E、Dの摂取量と心不全死亡における関連について検討することを目的としました。ビタミンA、K、E、Dの摂取量に関するアンケートに回答があった40歳から79歳までの男性23,099人・女性35,597人に対して約19年間の追跡調査を実施し、ビタミンA、K、E、Dの摂取量と心不全死亡との関連を検討し、専門誌(Nutrition 2018)に報告しました。


女性ではビタミンK、E、Dの摂取量が多いことは心不全死亡のリスク減少と関係する


 追跡期間中、男性240名・女性327名が心不全にて亡くなりました。男女共にビタミンAと心不全死亡の関連が認められませんでした。一方で、女性ではビタミンK、E、Dの摂取量と心不全死亡率に負の関連が認められました。ビタミンKを多く摂取する女性はそうでない女性に比べて37%、ビタミンEでは45%、ビタミンDでは36%の心不全死亡リスク減少がそれぞれに認められました。また、これらの関連はその他の水溶性ビタミン摂取量等の影響を考慮しても変わらず、心不全死亡リスクは減少していました。








最後に


 本研究によって、脂溶性ビタミンK、E、Dの摂取量は日本人女性の心不全死亡リスクを減少させることが示唆されました。一方で、なぜこの関連が女性に限定したものなのか正確な理由はわかりませんでしたが、男性では喫煙、飲酒などにより心不全リスクがより高いため、そのリスクが脂溶性ビタミンでは解消できない可能性が考えられます。この事に関して、今後さらなる研究が必要と思われます。

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