抗酸化ビタミン摂取量と死亡リスクについて

馬 恩博


酸化ストレスの増加は様々な慢性疾患のメカニズムに関与していますが、ビタミンCやビタミンEに代表される食事中の抗酸化栄養素は酸化ストレスを軽減させると考えられています。しかし、個別の抗酸化栄養素と死亡リスクについての関連は報告により結果が一致していません。そこで、JACC研究を用いて、抗酸化ビタミン摂取量と全死亡との関連を検討しました。ここでは、専門誌(J Epidemiol 2018)に報告した結果の概要を紹介します。


ビタミンCなどの抗酸化ビタミンを多く摂っていると、死亡リスクが低い


 心臓病、脳卒中、がんの既往がなく、食事調査に回答した40~79歳の男性22,795人、女性35,359人を2009年末まで追跡したところ、それぞれ6,179人、5,355人が亡くなりました。
 抗酸化ビタミンとして、ビタミンC、ビタミンE、αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチンに注目して、それぞれのエネルギー摂取量を考慮した摂取量と死亡との関連を検討すると、男性ではビタミンC、βクリプトキサンチンの摂取量が多いほど、死亡リスクが低くなる傾向がありました(図1)。女性では、いずれの抗酸化ビタミンも摂取量が多いほど、死亡リスクが低くなる傾向がありました(図2)。年齢、BMI、喫煙、飲酒、ビタミン剤使用、歩行時間、運動時間、教育歴、睡眠障害、閉経状況を考慮すると、これらの関連はやや弱くなるものの、結果の有意性は変わりませんでした。








最後に


 この研究から、抗酸化ビタミンの摂取が多いと、全死亡リスクが低いことが明らかとなりました。抗酸化ビタミンは果物や野菜に多く含まれており、これまでに報告されている果物・野菜摂取と全死亡の負の関連と一致する結果でした。

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