水摂取と循環器疾患死亡との関係

崔仁哲


 成人の身体の約60%は水分であり、水は体内で多種多様な働きをしている生命を維持する上で必要不可欠なものです。WHOでは男性で1日2.9リットル、女性で2.2リットルの飲用が推奨されています。また、水の摂取は循環血液量の増減に影響し、血圧や心拍とも関連しています。そこで、JACC Studyでは、食事についてのアンケートから、飲料や食品から摂取した水分量が推定できた40~79歳の日本人男女58,301名を対象として、水摂取量と循環器疾患死亡リスクとの関係を分析し、その結果を専門誌に発表しました。(Public Health Nutrition. 2018;21: 3011-3017.)。


水の摂取量が多いと循環器疾患死亡リスクが低い


 水の摂取量が多いと男性では総循環器疾患、女性では総循環器疾患、虚血性心疾患、脳梗塞死亡リスクが低いことがわかりました。男性において、水の摂取量が最も少ないグループに比べ、最も多いグループでは総循環器疾患が0.86倍と統計学的に有意ではありませんでしたが摂取量が多いほどリスクが低くなる傾向がみられました(傾向性p<0.05)(図1)。女性では、総循環器疾患死亡リスクが0.79倍、虚血性心疾患が0.60倍脳梗塞が0.70倍(図2)と統計学的に有意に低値を示しました。





まとめ


 本研究において、水の摂取量が多い男性では総循環器疾患、女性では総循環器疾患、虚血性心疾患、脳梗塞死亡リスクが低いことがわかりました。詳細なメカニズムはまだわかっていませんが、水分を十分に取ることが高血圧予防につながる可能性が示されていることや、水分を十分に取っている方はその他の健康的な生活習慣(体を動かすことや食物繊維をしっかりとること等)も行っている方が多いことなどが考えられます。

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