健診への関心・受診状況と死亡との関連

池田愛


 わが国では健診の受診率の向上に多大な努力が注がれていますが、健診を受診しても健診への関心が低く、その後の保健指導への関心が低い、いわゆる「受けっぱなし」の人の健康の状況は明らかではありません。


 そこで、健診への関心と受診状況がその後の死亡に与える影響について文部科学省の助成する大規模コホート研究において、約10年間の追跡調査を行った結果をまとめ、専門誌に発表しました(Prev Med 2005; 41: 767-771.)。


健診への関心・受診状況と循環器死亡は関連している

 40~79歳の男性28,530人と女性40,295人を約10年間追跡しました。 この研究では、追跡開始時にアンケートで健診への関心と健診受診の有無をお尋ねしており、それら2つの質問の回答を組み合わせて、「関心がありかつ受診している」群、「関心がないが受診している」群、「関心があるが受診していない」群、「関心がなく受診もしていない」群に分けました。


 「関心がないが受診している」群は、「関心がありかつ受診している」群に比べ、死亡のリスクが高く、男性の循環器疾患では1.4倍、全死亡では1.2倍、女性ではそれぞれどちらも1.3倍でした。


 また、「関心がなく受診していない」群は、「関心がありかつ受診している」群に比べ、男性の循環器疾患では1.4倍、全死亡では1.2倍、女性ではそれぞれ1.5、1.4倍でした。がん死亡に関しても同様に若干死亡のリスクが高くなっていましたが、男女とも意味のある差は認めませんでした。

【図1】健診への関心・受診状況と死亡(男性)

【図2】健診への関心・受診状況と死亡(女性)


 今回の結果より、男性では、健診の受診の有無に関らず健診への関心のない群、女では健診に関心がなく受診もしていない群での循環器疾患死亡が多くなることがわかりました。


 健診への関心度が低い人ほど、喫煙、多量飲酒などの好ましくない生活習慣をしているとも考えられ、健診への関心度が低い人への健康教育が循環器疾患予防につながることが期待されます。

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