日本人における食品摂取頻度と推定栄養素摂取量について

磯博康


 JACC Studyでは39の食品についての摂取頻度調査(食物摂取頻度調査)を実施しました。お答えいただいた回答に基づき食品や栄養素の摂取量を推定し、 それら推定摂取量を用いて、食品や栄養素摂取量と種々の疾患との関連についての分析を進めています。


 調査対象集団の特徴を把握し、食品や栄養素摂取量と種々の疾患との関連の研究を進めるための基礎資料として、 調査開始時の食品摂取頻度ならびに栄養摂取量について、性別や年齢別の集計を行い、専門誌に発表しました(Journal of Epidemiology. 2005;15 Suppl 1:S24-42.)。


女性は男性に比べて野菜や果物、菓子類等の摂取頻度が多く、米飯や味噌汁の摂取頻度が少ない(図1~3)

 JACC Studyでは、「ほうれん草や春菊」といった緑葉野菜、「にんじんやかぼちゃ」「トマト」「キャベツやレタス」「はくさい」といった主要野菜、かんきつ類やその他の果物、菓子類の摂取頻度について5段階(「ほとんど毎日」「週3~4日」「週1~2日」「ほとんど食べない」)で尋ねています。


 女性は、男性比べ、40~70歳代いずれの世代も総じて、これら食品を「ほとんど毎日」食べる人の割合が高い傾向にありました (野菜 女性:13.6~39.6%、男性:6.7~36.8%、果物 女性:37.1~48.0%、男性:21.5~33.1%、菓子類 女性:19.5~22.2%、男性:8.7~21.4%)。


 また、米飯1日4杯以上、味噌汁を毎日食べる人の割合は、40~70歳代いずれの世代も総じて、それぞれ男性の方が女性よりも高い傾向を示しました (米飯 男性:24.0~46.8%、女性:11.4~24.5%、味噌汁 男性71.0~77.8%、女性:64.7~72.4%)。


男女とも高齢層の方が野菜や豆類、果物、菓子類、緑茶の摂取頻度が多く、さらに男性は高齢層の方が牛肉や鶏肉、乳類、味噌汁の摂取頻度が多い(図1~3)

 さらに食品摂取について、年齢層別に分けた集計結果では、男女とも高齢層の方が野菜や豆類、果物、菓子類をほとんど毎日食べる人の割合、 緑茶をほとんど毎日飲む人の割合が高く豚肉を週3回以上食べる人の割合は低い傾向がみられました。さらに男性では高齢層の方が牛肉・とり肉を週3回以上、 ならびに牛乳・ヨーグルトや味噌汁をほとんど毎日食べる人の割合も高い傾向がみられました。


女性は男性に比べてカロテンやビタミンC等の摂取量が多く、総エネルギーや炭水化物、食塩摂取量が少ない(表1)

 食物摂取頻度調査から推定した栄養素摂取量について、性別に分けて集計を行ったところ、女性は男性に比べて、カロテンやビタミンC等の摂取量が多く、総エネルギーや炭水化物、食塩摂取量が少ない結果でした。この結果は、エネルギー、栄養素の摂取源となる食品の摂り方に由来するものです。


男性では40歳代で食物繊維やビタミンA、C、E、カルシウム等の摂取量が最も低く、女性では40歳代で食物繊維やビタミンC、70歳代でカルシウムやビタミンAの摂取量が最も低い(表1)

 さらに栄養素摂取量について、年齢層別に分けて集計した結果、男性では40歳代で食物繊維やビタミンA、C、E、カルシウム等の摂取量が最も低く、女性では40歳代で食物繊維やビタミンC、70歳代でカルシウムやビタミンAの摂取量が最も低い傾向がみられました。これも摂取源となる乳類や野菜類の摂り方に由来するものです。


まとめ

 今回の結果から、1990年前後の調査開始当時の食生活の現状を大規模調査において把握することができました。この結果は、私達が食習慣と各疾患との関係を検討していく上で、有益な情報であると考えられます。ただし、本食物摂取頻度調査により推定した食品摂取頻度や栄養素摂取量は、JACC Studyの対象者の摂取量が集団内において多いか少ないかを把握することが主目的であり、実際の摂取量を正確に推定できるものではありません。従って、ここで示している摂取量は参考値としてください。


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