5年間の喫煙・飲酒習慣の変化 ―JACC Study―

川戸美由紀


 喫煙・飲酒習慣の改善は、がんなどの疾患にかかるのを防ぐために重要です。しかし、喫煙・飲酒習慣の経年的な変化について検討した研究はあまり多くありません。この研究では、JACC Studyに参加された方を対象として、最初の調査時点と、その約5年後に行われた中間調査時点の喫煙・飲酒習慣の変化、および、禁煙・禁酒と関連する特徴について検討しました。


 解析の対象者は、研究参加時点と中間調査時点の両方において喫煙・飲酒習慣の回答をした40~79歳の男女で、男16,778人、女21,161人でした。


5年後の喫煙習慣の変化:喫煙者の割合は低下、喫煙本数も減少傾向

 研究参加時点の喫煙者の割合は、男性で51.0%、女性で5.2%でした。中間調査時点では、男性で45.5%、女性で4.8%であり、喫煙者の割合は低下していました。


 図1に、性と年齢階級別の、研究参加時点と中間調査時点の喫煙者の割合を示しています。男女とも、ほとんどの年齢階級において喫煙者の割合は低下していました。研究参加時点と中間調査時点の両方とも喫煙していると答えた方について、1日の喫煙本数の変化を見たところ、男性では、20本以上と答えた人の割合は中間調査時点で減少し、1~19本と答えた人の割合が増加していました。

【図1】性・研究参加時点の年齢階級別、喫煙者の割合


5年後の飲酒習慣の変化:飲酒頻度は変わらず、1回の飲酒量は減少

 研究参加時点の飲酒者の割合は、男性で78.0%、女性で29.5%でした。中間調査時点では、男性で73.2%、女性で23.5%であり、飲酒者の割合は低下していました。


 図2に、性と年齢階級別の、研究参加時点と中間調査時点の飲酒者の割合を示しています。男女とも、いずれの年齢階級においても飲酒者の割合は低下していました。研究参加時点と中間調査時点の両方とも飲酒していると答えた方について、飲酒頻度と1回の飲酒量の変化を見たところ、飲酒頻度には大きな変化は見られませんでした。1回の飲酒量は、男女とも、 1合未満と答えた人の割合が中間調査時点で増加し、1合以上と答えた人の割合が減少していました。

【図2】性・研究参加時点の年齢階級別、飲酒者の割合


禁煙・禁酒に関連する特徴:年齢と量が関連

 研究参加時点の喫煙者のうち、中間調査時点で喫煙をやめているかどうかと、研究参加時点の年齢、喫煙を開始した年齢、一日の喫煙本数の関係を見てみました。

 研究参加時点の年齢と喫煙開始年齢は、いずれも、高いと中間調査時点で喫煙をやめている傾向が見られました。 また、一日の喫煙本数が少ないと喫煙をやめている傾向が見られました。


 飲酒についても同様に、研究参加時点の飲酒者のうち、中間調査時点で飲酒をやめているかどうかと、研究参加時点の年齢、飲酒を開始した年齢、飲酒頻度と一回の飲酒量の関係を見てみました。喫煙と同様に、研究参加時点の年齢が高いほど中間調査時点で飲酒をやめている傾向が見られましたが、飲酒を開始した年齢と飲酒をやめているかどうかにはあまり関連は見られませんでした。飲酒頻度と一回の飲酒量は、いずれも、少ないと飲酒をやめている傾向が見られました。

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