肝臓がんと食事の関係

黒沢洋一


 肝臓がん(肝細胞がん)はアジアにおいて頻度が高く、わが国でも肝臓がんの予防が重要な課題となっています。肝臓がんは肝炎ウイルスとの関連が深く、わが国の肝臓がんの80%がC型肝炎と関連しているといわれています。


 しかし、肝炎ウイルスが肝臓がんのすべての原因ではありませんので、その他の肝臓がんに関連する要因(お酒、タバコ、食事)の研究も盛んに行われています。この研究では肝臓がんの予防に役立つ食事について調べています。 (Kurume Medical Journal27巻 141-149ページ 2004年)


食事の調査項目

 生活習慣とがんなどの病気の発生や死亡との関係を検討し、日本人の生活習慣病を予防するための方法を明らかにするためコホート研究と呼ばれる研究を行っています。現在、全国45地区約11万人の方々にご協力をいただき、1988~90年に生活習慣に関するアンケートにより集められた情報を基に、研究を行っています。


 アンケートによる食事の調査項目は次のようなものです。ご飯(杯数)、味噌汁(杯数)と33食品項目(牛肉、豚肉、鶏肉、卵、牛乳、チーズ、魚、有色野菜、白色野菜、山菜、きのこ、海草、つけもの、豆腐、果物、菓子類など)の頻度およびコーヒー、お茶、ウーロン茶、紅茶の一日の摂取量を調査しました。それぞれの項目と肝臓がんと死亡との関連を調べました。


肝臓がんを予防する食事

 肝臓がん死亡を減少させる食事として、緑黄色野菜、ご飯(必要かつ十分なカロリー)、コーヒーなどが候補として挙げられました。これらの食事は他の国(イタリア、ギリシャ)の研究においても肝臓がんの予防に関連すると報告されています。ただし、今回の調査は他の重要な肝臓がんに関係する因子である、肝炎ウイルス、お酒などの要因を考慮していないので、今後はこれらの要因も考慮して(多変量解析)肝臓がんを予防する食事を明らかにしていきたいと思います。

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