食事パターンと循環器疾患死亡との関係

丸山広達


 私たちが食事を摂るとき、通常は個々の食品を単品で食べるのではなく、いろいろな食品を組み合わせて食べています。そこで、1つずつの食品ではなく日常実際に摂取している食品の組み合わせと循環器疾患との関係を調べるため、JACC Studyで調査している40項目の食品・嗜好飲料の摂取状況から、因子分析という統計学的手法を用いて、食品摂取の組み合わせ(食事パターン)を推定し、スコアを算出しました。


 その結果、「野菜」、「動物性食品」、「乳製品」の3つのパターンが推定されましたので、それぞれのパターンスコアと循環器疾患死亡率との関係について分析を行い、専門誌に発表しました(Nutrition, Metabolism & Cardiovascular Diseases (2012), doi:10.1016/j.numecd.2011.10.007)。


「野菜」パターンスコアが高いと、女性で総循環器疾患死亡リスクが低い

 野菜」パターンのスコアが高いと、野菜や果物の平均摂取量が高い傾向にありました。「野菜」パターンのスコアが高いと、女性において総循環器疾患死亡リスクが低い傾向がみられ、スコアが最も低いグループに比べ、最も高いグループではそのリスクが0.82倍でした(図1)。


「動物性食品」パターンは、総循環器疾患死亡リスクと強い関係はみられない

 「動物性食品」パターンのスコアが高いと、肉類や炒め物、魚類の平均摂取量が高い傾向にありました。欧米では、「動物性食品」パターンのような食事パターンは、循環器疾患の死亡リスクが高いことが研究で示されていますが、今回の日本人の検討では、「動物性食品」パターンと循環器疾患死リスクとの間に有意な関連はみられませんでした。


「乳製品」パターンスコアが高いと、脳卒中リスクが低い

 「乳製品」パターンのスコアが高いと、牛乳やヨーグルト等の乳製品の平均摂取量が高い傾向にありました。「乳製品」パターンのスコアが高いと、男女とも脳卒中死亡リスクが低く、スコアが最も低いグループに比べ、最も高いグループではそのリスクが、男性で0.65倍、女性で、0.70倍でした(図2)。また女性では、総循環器疾患の死亡リスクも低い傾向がみられ、最も低いグループに比べ、最も高いグループではそのリスクが0.76倍でした(図3)。


まとめ

 今回の研究では、野菜や乳製品等を中心に摂っている食事パターンが、循環器疾患の死亡リスクを下げることに関連していることが示されました。「動物性食品」パターンについては、欧米で循環器疾患リスクの可能性が示唆されている肉類と、予防的に働く魚類の摂取がともに多いため、関係がみられなかった可能性があります。固有の食品に偏らず、予防効果が示されている食品をバランスよく食べることが、循環器疾患予防において重要であると考えられます。

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