果物、野菜、大豆製品の摂取と循環器疾患死亡との関連

奈倉淳子


 欧米諸国やわが国のいくつかのコホート研究において、果物や野菜、豆類には脳卒中や虚血性心疾患といった循環器疾患の予防効果が報告されています。しかしながら、わが国では大規模コホート研究において、このような植物性食品と循環器疾患及び総死亡との関連を系統的にみたものが少ないため、文部科学省の助成する大規模コホート研究において、約13年間の追跡調査を行った結果をまとめ、専門誌に発表しました(Br J Nutr. 2009 102:285-292.)。


果物、野菜、大豆製品の摂取頻度が多いほど、総循環器疾患死亡のリスクが減少

 食事についてのアンケートに有効回答が得られた40~79歳の男女約6万人を対象に、果物、野菜、大豆製品の摂取頻度の少ない人から多い人へ4つのグループに分け、これら植物性食品と循環器疾患死亡及び総死亡との関連を分析しました。


 分析の結果、果物摂取頻度が多いほど、脳卒中、総循環器疾患、総死亡のリスクが統計学的に有意に低いことが示されました(図1)。また、野菜摂取頻度、大豆製品摂取頻度もそれぞれ摂取頻度が多いほど、総循環器疾患死亡のリスクが低いことが示されました(図2)。


果物、野菜、大豆製品の摂取による総循環器疾患死亡リスク減少の機序

 果物や野菜には、循環器疾患の進展に関わるLDL-コレステロールの酸化や血液凝固を抑制する作用のあるビタミンCをはじめ、血圧や血中コレステロール上昇抑制、抗血液凝固作用を有するカリウム、マグネシウム、食物繊維、葉酸といった栄養素が含まれています。また大豆製品にもイソフラボンやサポニンなど血中コレステロール値の上昇抑制作用を有する成分が含まれています。これらの成分が、循環器疾患死亡リスク減少に寄与していると考えられます。  今回の研究では、循環器疾患を予防する上で、果物、野菜、大豆製品といった植物性食品の積極的な摂取が望ましいことが、示されました。

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