子宮頸がん検診の効果

坂内文男・森 満


 私達は1988年から1990年にかけて、全国45か所で11万人以上の人達に御協力をいただき生活習慣に関するアンケート調査を行いました。そして、約15年後の2003年末まで観察を行い、日本人女性について子宮頸がん検診の効果を検討しました。効果判定の対象となった方々は、子宮頸がんを含めたがんの既往を持たない30歳から79歳までの女性63,541人です。子宮頸がん検診への参加率は46.9%、観察期間中に子宮頸がんで死亡した方は38人でした。詳しい結果はJapanese Journal of Clinical Oncology誌(2006年36巻8号511-518ページ)に掲載されています。


 ここに主な結果を問い(Question) &回答(Answer)形式で示します。


Q1:子宮頸がん検診の効果はあったのでしょうか。

 A:今回の結果では、子宮頸がん検診の受診者は未受診者にくらべて子宮頸がんで死亡するリスクが低いことがわかりました。数値で示しますと、未受診者の死亡リスクを1とすると、検診受診者のリスクは0.3でした。そして、年齢、分娩回数、Body Mass Index(BMI:体重kgを身長mの2乗で割った値、肥満の程度を見る指標)で調整した場合でも結果はほとんど同じでした。すなわち、子宮頸がん検診は子宮頸がん死亡を減少させる効果あると思われます。


Q2:社会全体に子宮頸がん検診を奨励すると、子宮頸がん死亡数をどのくらい減少させることができるのでしょうか。

 A:計算では、30歳から79歳までの女性全員が子宮頸がん検診を受診することにより、現在の子宮頸がん死亡数を、少なくとも50%減少させると推計されました。しかし、今回は解析対象人数が少ないため、今後とも研究を継続して、同じような結論になるか否か検討が必要です。


結語:

 子宮頸がん検診は、子宮頸がん死亡者数を減少する効果が期待されます。

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