子宮内膜がん死亡に関係する要因の検討

坂内文男・森 満


 私達は1988年から1990年にかけて、全国45か所で11万人以上の人達に御協力をいただき生活習慣に関するアンケート調査を行いました。そして、約15年後の2003年末まで観察を行い、日本人女性について子宮内膜がん死亡と関連する要因を検討しました。


 効果判定の対象となった方々は、がんの既往を持たない40歳から79歳までの女性63,541人です。なお、観察期間中に子宮内膜がんで死亡した方は22人でした。詳しい結果はAsian Pacific Journal of Cancer Prevention誌(2006年7巻260-266ページ)に掲載されています。


独身であることと性ホルモン剤使用がリスク

 今回の結果で子宮内膜がん死亡リスクと関連が認められた項目は、婚姻状態と性ホルモン剤の使用歴でした。婚姻状態では、独身女性が既婚女性に比べて約7倍リスクが高いことが示されました。また、性ホルモン剤の使用歴を有した女性は5.2%でしたが、使用歴がない女性に比べて約6倍リスクが高いという結果でした。


 上記の結果が得られましたが、今回解析の対象となった症例は22例と非常に少数でしたので、もっと多くの症例における検討が必要です。また、性ホルモン剤の使用歴も、その有無と使用期間を尋ねたのみで、性ホルモン剤の内容と使用目的に関しては情報が充分ではありませんでした。したがって、子宮内膜がん死亡リスクと性ホルモン剤使用の関連も今後再検討が必要です。


結語:

 子宮内膜がん死亡リスクと関連が認められた項目は、婚姻状態と性ホルモン剤使用歴でしたが、今後さらなる検討が必要と考えられます。

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