健康習慣と予防できる死亡

玉腰暁子


 喫煙や飲酒、運動といった生活習慣は、動脈硬化性疾患やがんなどの発生・死亡と関連することが知られており、そのリスク程度に関する検討は数多く行われています。一方で、生活習慣は互いに関連していますので、個々の影響力だけでなく、複数の生活習慣を組み合わせた検討も重要と考えられます。今回、喫煙、飲酒、運動、睡眠、食事(緑黄色野菜の摂取)、肥満の6項目を組み合わせた簡便なライフスタイルスコアを算出し、その値とその後の死亡との関係を検討し、専門誌に報告しました。

 (Preventive Medicine 2009; 48:486-92.)


 今回は、1988-90年にJACC Studyのベースラインで収集された調査票より6つの生活習慣について、健康的な習慣に1、不健康な習慣に0を与え合計しライフスタイルスコアを作成しました。

 スコアは0-6点に分布し、点数が高いほど健康的な生活習慣であることを示しています。対象はJACC Studyに参加してくださっている方のうちこれら情報がすべて得られた約6.2万人で平均追跡期間は12.5年でした。


健康的な習慣の人ほど死亡リスクが低い

 ライフスタイルスコアが高くなるほどほぼ直線的に死亡リスクは低下し、その傾向は男女とも、また年齢を2群(60歳未満と60歳以上)に分けても同じように見られました。全体では、0-2点の方に比べるとスコアが6点満点の方は男性で0.43倍、女性で0.53倍とほぼリスクは半分となりました。


各人が生活習慣を改善することで全体の死亡数も減らすことができる

 生活習慣の分布も加味すると、もし全対象者が6点満点の生活習慣であったとすれば、男性で49.4%、女性で29.8%の死亡が予防でき、また全員が何か1つ生活習慣を改善し、上の段階(0-2点→3点、3点→4点…というように)のライフスタイルスコアグループになったとすれば、男性で24.7%、女性で18.5%の死亡が予防できると推計されました。


 今回の結果から、健康的な生活習慣が重要であることが改めて示されたと考えられます。さらに健康的な生活をすることは、中年層だけでなく高齢者層でも重要といえます。あれもこれもと一度に改善することは難しいですが、一つでも改善することでよい影響がでることが期待されます。ぜひ一度生活習慣を振り返ってみてはいかがでしょうか。

copy_rihgt_JACC