テレビ視聴時間と肺がん罹患との関連

鵜川重和


 テレビ視聴時間は、身体を動かさない生活様式を表す代表的な指標の一つになっています。長いテレビ視聴時間は、大腸がんや卵巣がん、子宮がん、心血管疾患、2型糖尿病のリスク要因とされていますが、これまでテレビ視聴時間と肺がん罹患との関連については明らかになっていませんでした。


 そこで、この研究では、JACC Studyを用いてテレビ視聴時間と肺がん罹患との関連を検討し、専門誌に報告いたしました。(Cancer Causes & Control 2013; 24(8): 1547-53)


テレビ視聴時間の長い男性は、肺がんに罹りやすい

 がん既往歴のない40から79歳の54,258人(男性:23,090人、女性:31,168)を約15.6年追跡したところ、798人(男性:598人、女性:200人)が肺がんに罹りました。

 男性において、2時間未満のテレビ視聴者と比較して、4時間以上では1.36倍肺がんに罹りやすいことが明らかになりました。一方、女性においてはこのような関連は明らかになりませんでした。。


 今回の結果では、男性でのみ、長いテレビ視聴時間が肺がん罹患に影響を与えている可能性が示されました。長いテレビ視聴時間が肺がん罹患のリスクを増加させる理由として、発がんに大きな影響をおよぼすとされる代謝障害や体内の炎症性物質が増加した可能性が考えられます。


 一方、女性ではこのような関連はありませんでしたが、女性は男性と比較して家庭での家事や育児の時間が長く、テレビ視聴時間が必ずしも身体を動かさない生活を反映していない可能性があると考えられます。

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