魚を食べる回数と血液中の長鎖n-3脂肪酸との関係

若井建志


 近年、魚、とくに青身魚に多く含まれる脂肪の成分ーEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの長鎖n-3脂肪酸が、がんを予防するのではないかとの説が注目されています。そこで魚を食べる回数と、さまざまながんのかかりやすさとの関係が研究されていますが、魚をよく食べる人が本当に長鎖n-3脂肪酸を多くとっているかどうかは必ずしも明らかではありません。


 そこでJACC Studyで、がんへのかかりやすさとの関係を調べるために、血液中の脂肪酸を測定した1,257名の方について、魚を食べる回数と血液中の長鎖n-3脂肪酸の量(血清中の脂肪酸全体に占める割合)の関係を調べました。詳しい結果は学会誌に発表しておりますが(Journal of Epidemiology 15巻 211-218ページ 2005年)、ここではその概要をまとめました。


魚を食べる回数がより多いグループで、血液中の長鎖n-3脂肪酸の量は多い

 新鮮な魚を食べる回数(アンケートで調べました)によって、対象者を4つのグループに分け、血液中の長鎖n-3脂肪酸の量(幾何平均値)をグループごとに計算しました。

 図のように、新鮮な魚を食べる回数が多いグループほど、血液中の代表的な長鎖n-3脂肪酸であるEPA(図左)、DHA(図右)の量が多いことがわかりました。図には示しませんが、干し魚・塩魚についても同様な結果でした。

【図1】新鮮な魚を食べる回数のグループ別にみた、血液中のEPA、DHAの量


 以上、新鮮な魚や、干し魚・塩魚を食べる回数が多いグループでは、血液中の長鎖n-3脂肪酸の量が多いことから、魚をよく食べる人は長鎖n-3脂肪酸を多くとる傾向があり、魚を食べる回数を調べることは、長鎖n-3脂肪酸とがんや他の病気との関係を調べる上で意味があると考えられました。

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