Age-specific cohort研究による高齢者の健康障害予防に関する研究(NISSIN Project)

背景

いわゆる高齢者(65歳以上)は現在増加の一途をたどっており、2000年には17.3%であったものが2010年には23.0%となっています(平成23年版高齢社会白書)。この値は今後も上昇し、2035年には33.4%、2055年には39.4%に達すると推計され (国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位(死亡中位)推計値)、一方、生産年齢 (15―64歳) 人口は減少を続けており、2010年63.8%が、2020年59.2%、2045年52.4%、2055年には51.2%と予想されています。

このような社会情勢の中、高齢者が心身ともに健やかに老いることは、単に高齢者個人の問題ではなく、今や社会全体の問題といえます。たとえば、国民医療費は総額、対国民所得比率とも上昇を続けていますが、65歳以上のもので総額の約55%(平成21年度国民医療費の概況(厚生労働省)、75歳以上では33%)を占めます。

また、要介護・要支援状態のものは、65―69歳の2.1%から75―79歳10.5%、85―89歳40.9%と年齢とともに急増します。したがって、今後増加する高齢者がより健康に老いるよう対策を立てなくては、医療経済一つをとっても立ち行かなくなることは明らかです。

また、若年人口の減少から考えて労働力の観点からも健康に働ける高齢者が増えることが必要といえます。個人の問題として健康であることが望まれることはもちろんですが、このように社会情勢の観点からも高齢者の健康に関わる問題を検討し、高齢者の健康増進/健康障害の予防/障害発生時期の延長に関連する要因を明らかにすることは重要です。

そこで、高齢期の始まりでありほとんどの方が元気な65歳の時点で、どのような生活習慣、身体状態であることが、その後の検査所見、体力、認知機能、満足度など心身共に健康であることに貢献するのかを明らかにし、高齢者の健康増進/健康障害の予防あるいは障害発生時期の延長に寄与することを目的としてコホート研究を開始しました。

方法

N市で1996年より10年間に当該地区の約半数の65歳住民を対象とするユニークなage-specificなコホート研究を健診をベースとして開始しました。

本研究では、既に70歳までの追跡を終えており、住環境などの背景要因が大よそ均一な集団で65歳時点の生活習慣、体力、認知能力などの違いがどのように70歳時点の健康障害(死亡、要介護状態)、検査値等の変化に影響を及ぼすかを検討します。

共同研究機関

N市、名古屋大学大学院医学系研究科予防医学京都大学環境安全保健機構健康科学センター名古屋大学大学院環境学研究科心理学講座愛知健康の森健康科学総合センター