札幌市児童の喘息と自宅の暖房器具の排気管および機械換気との関連 ー 横断研究

背景

暖房器具の種類と児童の喘息との関連が報告されている。しかし、これまでに児童の喘息と暖房器具の排気管、および機械換気との関連を評価した研究はなかった。

方法

札幌市で小学校1年生から6年生(6−12歳)を対象に横断研究を行った。2008年11月から2009年1月にかけて、保護者に住宅環境および児童の喘息症状に関する調査票の記入を依頼した。

結果

6393名の児童のうち、4445人から調査票を回収し(回収率69.5%)、欠損データを除外した3874人のデータを分析した。現在喘息症状がある児童は12.8%、今までに喘息症状がある児童は30.9%であった。電気暖房と比較し、ガス、石油などの暖房で排気管あり・機換換気なしの場合(OR = 1.62; 95% CI, 1.03-2.64)、排気管なし・機械換気ありの場合(OR = 1.77; 95% CI, 1.09-2.95)、排気管なし・機械換気なしの場合(OR = 2.23; 95% CI, 1.31 -3.85)は、いずれも現在の喘息症状のオッズ比が有意に高かった。ダンプネスの有無に関わらず、排気管なしの暖房を利用している場合は機械換気がある場合とない場合のいずれも現在の喘息症状と有意に関連していた。

結論

ダンプネスがあってもなくても、排気管なしの暖房器具を使うことは現在の喘息症状と関連していた。特に、機械換気がある場合と比べ、機械換気がない場合は現在の喘息症状のオッズ比が有意に高かった。一方、今までに喘息症状があることは、排気管がない暖房器具を機械換気なしで使用する場合とのみ関連していた。したがって、ガス、石油等の暖房器具に排気管が取り付けられない場合、および機械換気がない場合には、児童の喘息に関連する可能性があることに十分注意することが必要である。