長時間労働と健康の関連―システマティックレビュー

背景と目的

長時間労働と健康の関連について多くの研究が行われている。しかしこれらの研究の結論は一致していない。この理由は様々に考えられるが、我々は長時間労働の定義が研究により異なること、シフトワークという勤務形態が健康へ悪影響を及ぼすことが示唆されており、研究内でのシフトワークの取扱い方法によっては結果に影響を及ぼしている可能性があることの2点に着目し、既存の文献からシステマティックレビューを行った。

方法

長時間労働の定義を週当たり労働時間40時間(一日当たり8時間)前後を超えたものとした。また長時間労働と健康を研究する上でシフトワーク自体が結果に与える影響を最小限に抑えることが必要と考えた(例.シフトワーカーを除外して解析、勤務形態で層別化して解析、共変量として解析)。また対照群の存在が研究結果をより明らかにするため、対照群の存在も必要とした。これらの観点から、我々は長時間労働と健康の関連について疫学的な結論を明らかにするため、既存の研究結果を分析した。独自の包含基準を作成し、Medline及びPsycINFOにある1995年から2012年までの文献をオンラインで系統的に検索した。

結果

重複を除いた計4399件の文献から、17文献を抽出した。これらの文献は19の研究(12件の前向きコホート研究、7件の横断研究)を含んでいた。アウトカムは全部で32あり、全死亡率、循環器系疾患、糖尿病、メタボリック症候群、抑うつ状態、不安、他の精神的障害、睡眠、認知機能、そして健康関連行動(喫煙、アルコール摂取、体重の増減、運動)であった。長時間労働はほとんどのアウトカムに対して、統計学的に有意な悪影響を示した。

考察

得られたアウトカムに対してそれぞれ評価した。その結果、長時間労働は抑うつ状態、不安状態、睡眠、冠動脈疾患(の発症)と関連があることがわかった。長時間労働と健康についての研究において、長時間労働の定義とシフトワークについて適切に考慮した更なる研究が必要と考えられる。